楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

かに星雲

haとOIIIで輝く天体であれば、多少淡くてもデュアルナローバンドフィルターを使用すると自宅からも解像感のある写真を得られます。昨日11/25は、一晩中快晴で、風の影響も受けず大変良い予報でした。

下弦を過ぎた月齢23.6の月は、26日のAM2時前ぐらいに出没します。これほど良い条件の日はあまり無いと言っても良いでしょう。

何とか仕事を18時頃に片づけて、今一使いこなせていないGS-200RCを庭に出して、かに星雲を撮ってみました。本当は、前半カシオペア座の魚頭星雲(IC1795)を撮影して後半かに星雲を撮るつもりでしたが、かに星雲優先でセッティングした場所では、わずかに軒下に隠れて撮れませんでした。

魚頭星雲は、ハート&ソウルのハートの尖がっている先の部分のことで、魚の頭に見えるためにそう呼ばれているようです。今月の月夜会で天文中年さんがデュアルナローならアップで撮ると面白いと教えてくれました。次回はこれを狙うつもりですが、庭だと時期的に間に合うかどうか。。

さて、かに星雲は去年の12月にBLANCA-70EDTを使って撮影しています。

webkoza.hatenablog.com

魚頭星雲が撮れない事がわかり、ダメ元で電線帯を通過中のかに星雲を導入してみると、電線の合間に救えるコマが有りそうなので、構わず撮影開始しました。星像が電線の影響を受けたコマを結構落としましたが、トータルでは何とか4時間確保できました。下記が今回仕上げた写真です。

2024/11/25撮影 かに星雲(M1)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro ,
    GS-200RC(D=203mm,f=1624mm),KASAI ED屈折用0.8xレデューサーⅡ ,
     , IR-Cutフィルター ,L-extremeフィルター,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
    APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/11/25(月)20:20 ~ 2024/11/26(火)03:14
  • 撮影条件:
    Gain200 , Offset5 , センサー温度 -5℃
    120sec x 121コマ(242分)
  • 編集(PixInsight):
    FBPP/GXP/BXT/SXT/GHS/NXT等
    フルサイズ換算焦点距離 5,200mmにトリミング

私としては大成功です。フラット補正も決まり、少なかった光害カブリの影響もGraXpertによるムラ補正処理で完全に除去できました。星雲部分のS/Nが良いので編集は楽でした。

今回も星雲は疑似AOO(HOO)した画像から取り出しました。若干OIIIブーストして青を強調してはいますが、露光時間が充分だったことと、筒の性能により、元々OIIIの色が良く出ていました。前回も疑似AOO(HOO)ではあったのですが、色はHaの赤に支配されていました。

星雲の内部構造は前回よりも詳細に捉えていると思います。これも筒の性能を発揮できたと思っています。

前回は中心の「かにパルサー」が分離できていませんでしたが、今回ははっきり写っています。下記は、L画像をHDRMultiscaleTransformプロセスで中心部を強調した画像です。矢印の先が、かにパルサーです。

かにパルサー

下記は一応アノテーション画像

距離は約6500光年、視直径6'、実際の直径は10光年 ほどある超新星残骸です。