私の勤務形態は月4回の出社日以外は、自宅でのテレワーク。月間スーパーフレックスなので何時から何時まで働くのも自由という恵まれた環境です。だいたいいつもAM9時には仕事を始め、終わりは仕事次第です。たまに都内に出張も有ります。
家でたとえ21時まで仕事をしていても、晴天の夜だと、ごそごそと庭または庭先の駐車場に新しい鏡筒を引っ張り出して夜更けまで。これって体に悪いなあ。。と思いつつもやめられません。
そして、今宵も庭でDSO(Deep Sky Objects)の撮影をしています。リビングのPCで撮影PCにリモート接続してAPT(Astro Photography Tool)の進捗音声を聞きながら、このログを書いています。
今回は先日撮影した2つの星団と、ひとつの反射星雲の紹介です。反射星雲ははっきり言って失敗作です。。
球状星団M15
この球状星団は、ベガスス座の大球状星団として有名な天体です。下記が仕上げた写真です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI ED屈折用0.8xReduser,
CBPフィルター ,
AM5赤道儀 ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭 - 撮影日時:
2024/09/06(金)23:48 ~ 2024/09/07(土)00:36 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
240sec x 12コマ(露光時間48分) - 編集(PixInsight):
FBP/GXP/SPCC/BXT/GHS/NXT等
フルサイズ換算4060mm相当にトリミング
緯度は12°程度。白鳥座より少し南のペガスス座に位置しています。10'ほどの直径を持つ大きく立派な球状星団です。露光時間が短かったせいもあり、思ったより星の数が少ないです。ヘルクレス座のM13より少し小さいですが迫力は優るとも劣らない大変美しい球状星団です。
散開星団M39
あまり散開星団を撮影しないのですが、今回は星像の確認のために撮影しました。この星団も初撮影です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI ED屈折用0.8xReduser,
CBPフィルター ,
AM5赤道儀 ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭 - 撮影日時:
2024/09/06(金)23:48 ~ 2024/09/07(土)00:36 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
240sec x 11コマ(露光時間44分) - 編集(PixInsight):
FBP/GXP/SPCC/BXT/GHS/NXT等
フルサイズ換算4060mm相当にトリミング
白鳥座デネブとトカゲ座の中間ぐらいの天の川の中に位置する、直径30'以上もある大きな散開星団です。明るい星が多く写りが良いのですが、まばらなので迫力に欠けますね。
反射星雲IC63
この星雲は、カシオペア座Wの真ん中γ星「ナビ」に照らされて光っている反射星雲です。BバンドとVバンドの差である色指数は、ステラリウムによると-0.06。シリウス(0.00)より高温で青いということになります。ナビ由来の美しい青と、HII領域の赤のコントラストを表現したくて狙ってみたのですが、下記の通り。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI ED屈折用0.8xReduser,
CBPフィルター ,
AM5赤道儀 ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭(①)、庭先(②) - 撮影日時:
①2024/09/07(土)22:16 ~ 2024/09/08(日)00:52
②2024/09/08(日)20:58 ~ 2024/09/09(月)01:27 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
①240sec x 36コマ(露光時間144分)
②240sec x 37コマ(露光時間148分)
合計292分 - 編集(PixInsight):
FBP/GXP/SPCC/SXT/BXT/GHS/NXT等
フルサイズ換算2750mm相当にトリミング
IC63本体の姿はわかるものの、周囲の星雲については、見た感じ全くS/Nが足りていません。となりのIC59もうっすらと分かる程度です。ネット上の他の方の写真を見ると、もっと短時間露光で、青と赤の美しい写真が多く、比較になりません。今回の結果は結構がっかりでした。
原因としては、LED街灯と隣の家の2階の部屋から漏れていた明かりによる、複雑なカブリだと思っています。庭から狙うと、隣の家の2階の屋根から出てくる感じで、部屋から漏れる明かりの影響を受け、庭先から狙うと、隣の家の前に有るLED街灯の影響を受けます(庭からだと木によってLED街灯は遮られる)。今回のように対象の位置によっては、帯域の広いフィルター撮影はかなり苦しいということが分かりました。
それと、ガイド精度において風の影響が大きいことが分かりました。歩留まりが以前より悪いんです。
長焦点鏡筒ゆえですが、もちろんケーブルだらけという事も原因の一つだと思っていますので、とりあえず束線をもう少し何とかならないか検討の余地は有ります。
それでもだめなら、ガイド鏡の焦点距離を延ばすよりも、オフアキの検討かなあ。。
M15とM39、IC63の場所
最後にステラリウムより、3つの天体の場所を示しておきます。
夏の大三角(こと座ベガ、白鳥座デネブ、わし座アルタイル)が全て子午線を越えた時点の絵です。