新月期の9/5(木)久しぶりの晴天に恵まれましたので、さっそく新鏡筒のGS-200RCを庭先に設置。ドリフトアライメントで極軸を合わせた後、まずは輝星を使って主鏡傾きを調整してから撮影開始。予告通り対象はらせん星雲(NGC7293)です。
1stWrite結果
去年BLANCA-70EDTで撮影したデータの再編集記事は下記
この時は今回と同じQBPIIIフィルターを使って102分の露光時間でした。今回は、204分と倍の露光時間としました。しかし庭先からの南天は公害カブリが酷く、あまりS/Nが上がりませんでした。これにより編集に苦労した割には良くなりませんでした。
下記が仕上げた写真です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,
GS-200RC(D=203mm,f=1624mm)+KASAI ED屈折用0.8xReduser,
QBPIIIフィルター ,
AM5赤道儀 ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによるアライメント,
APTによるピント調整支援、GOTO++、ディザリング撮影 ,
PHD2による2軸オードガイド , ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭 - 撮影日時:
2024/09/05(木)21:07 ~ 2024/09/06(金)00:24 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
240sec x 51コマ(露光時間204分) - 編集(PixInsight):
FBP/DBE/ABE/SPCC/SXT/BXT/GHS/NXT等
フルサイズ換算3380mm相当にトリミング
細部構造の描写はさすがに前回より向上しているものの、期待したほどでは有りません。北東方向に生えるクセッ毛も、やっと認識できる程度です。でも内部の青色と黄色い部分を何とか表現できました。やはり暗い空で狙ってみたい天体です。
この写真はスケアリング調整しないで撮影しています。若干ずれているので、周辺の星のピントが甘くなるとか想像したのですが、影響は感じられませんでした。
星像について
これについては、今までに無いぐらい良いので驚いています。KASAIのED屈折用0.8xReduserを使った、撮って出し画像をFitsViewerで自動ストレッチしたものを、中心部とコーナー部それぞれ4倍に切り出した写真が下記です。
上がペガスス座の大球状星団M15周辺(スケアリング調整前・9/6撮影)、下が白鳥座の散開星団M39(スケアリング調整後・9/7撮影)です。星像に違いは出ませんでしたが、どちらの写真も右上と左上が若干伸びています。
これぐらいであれば、BXTで補正可能なレベルだと思います。
そして何と言っても中心部の星の形が良くて気持ちが良いです。これら星団の編集結果は後日掲載します。
スケアリング調整
スケアリング調整は、前回触れたとおり、接眼部に取り付けてあるKASAI M90スケアリング調整リングを使って調整しました。
方法としては、昼間作業部屋でカーテンを引き、0.5mm厚の乳白色のプラバンを鏡筒前面に密着させ、疑似的な薄明フラットを撮影します。SharpCap上のHistgramStretchで周辺減光をわかりやすく表示しながら、スケアリング調整リングの押し引きネジを回します。これで上下左右対称になったら、保存したfitsファイルをマカリのコントアを使って等光度パターン描画して確認します。これを根気よく何回も繰り返します。
下記が調整前と後です。
調整後の画像が薄くて見にくいのですが、これは時間と共に部屋が暗くなって来てるのに同じ露光条件でやり続けてしまったからです。
プラバンの密着が悪い部分があったため中心部が真円で無いのですが、だいぶ合ったと思っています。完全では有りませんが。。