楽しい記憶

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三日月星雲再撮影

前回8/4の撮影開始前に気づいた、R200SSのドローチューブ固定ネジを固くしたら星像が極端に悪くなった件について、センタリングスコープを覗きながら昼間に調べてみました。

ドローチューブ固定ネジを締めすぎる(と言っても常識的な硬さですが)とカクンという感じで像全体が少し平行移動します。そして詳細に観察すると斜鏡センターマークも若干ずれてました。前回はこの状態で撮影してしまったわけです。

ドローチューブの平行移動が像に与える影響が良くわかりませんが、この対策として、ドローチューブ固定ネジは、ゆるゆるのままいじらないことにし、代わりにピント調整ノブ(=ドローチューブ移動ノブ)を抑えている4本のプラスネジを少し硬くして、姿勢変更でも動かない程度にしました。ピント調整はさらにやりにくくなりますが、背に腹は代えられません。この状態で事前に光軸を合わせておきました。

8/8(木)は薄雲予報だったので諦めていたのですが、8時過ぎに仕事がようやく終わって空を見ると快晴!すぐに機材を庭に出して、三日月星雲を撮り直しました。本当は、明るいうちにセットしてセンタリングスコープで光軸チェックと調整を再度行いたかったのですがしょうがない。。

今回無風だったこともあり極軸精度はかなり良く、しかもサドルによるピント調整も時間をかけて良い精度(APTのBahtinovAidでOnFocusが出たのは初めてでした)にできました。2時間と少しの露光中ピント再調整はしませんでした。

下記が仕上げた写真です。

三日月星雲(NGC6888)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    QBPIIIフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/08/08(木)21:47 ~ 2024/08/09(金)00:18
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 33コマ(露光時間132分)
  • 編集(PixInsight):
    FBP/GraXpert/SPCC/BXT/GHS等
    フルサイズ換算2096mm相当にトリミング

最後は雲の出現で終了となりました。露光時間は前回8/4より8分増えただけですが、Integration後の見た目のS/Nはかなり良いように思いました。S/Nが良いと編集もやり易く、前よりもずいぶんと細部構造も出せました。

課題だった星像については、まだおにぎり型では有りましたが、前回よりは改善しており、補正の効果により、まあまあな結果になったと思っています。

撮影PCを新調したこともあり、前回はAPTのGOTO++がどうしてもうまくいかず、さらにSharpCapも立ち上げて、SharpCapの温度制御をオフにしてからShapCapの「プレートソルブ後再同期」で回避しました。

後で調べてみると、旧PCにはスターカタログをD20のみ登録してありました。新PCにはD50のみを登録していたので、D20も追加で登録してみました。これにより今回撮影時は、無事APTのGOTO++もうまく動きました。

ちなみに現在、極軸合わせ後の私の撮影フローはだいたい下記の通りです。ピント調整用の輝星をSharpCapで精密導入するのは、APTよりかなり速いからです。APTで撮影するのは、ディザリング撮影を行うためです。

  1. ステラリウムの望遠鏡ガイドプラグインで対象近くの輝星導入(ctrl+1 か alt+1)
  2. SharpCapの「プレートソルブ後再同期」で精密導入(輝星が画面中央へ)
  3. APTでセンサー温度設定
  4. APTのBahtinovAidでピント調整
  5. ステラリウムで対象導入
  6. ディザリング撮影開始
  7. ステラリウムで子午線反転導入
  8. APTのPointCraftでステリウムの座標取得後GOTO++で精密導入
  9. ディザリング撮影開始