楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

夏の天の川の星野写真

購入してから1回しか使っていなかったASKARのFMA135を使った星野写真の紹介です。最初の撮影は冬にオリオン座のバーナードループをフルサイズ一眼カメラで撮影しました。

webkoza.hatenablog.com

今回は、マイクロフォーサーズのカラーCMOSカメラでの撮影です。このサイズだと周辺星像は全く問題無く、若干の収差も画像処理で完全に取り除けて良い感じです。3枚全てほぼノートリミング(テザリング撮影による若干のズレによる周辺除去のみ)です。

さそり座カラフルタウン

露光時間が足りずあまりカラフルになりませんでした。。噂通り難しい対象です。

2024/6/14撮影 カラフルタウン

<諸元>

  • 撮影地:神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:2024/06/14(金)21:04 ~ 22:37
  • 撮影条件:240sec x 22コマ(露光時間88分)
  • その他:共通条件を巻末に記載

さそりの心臓アンタレスに照らされたオレンジ色の反射星雲や、青く広がるIC4605をもっと表現したかったのですが、露光時間が全く足りていないようです。

いて座干潟星雲(M8)周辺

2024/6/14撮影 干潟星雲周辺

<諸元>

  • 撮影地:神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:2024/06/14(金)22:58 ~ 23:44
  • 撮影条件:240sec x 11コマ(露光時間44分)
  • その他:共通条件を巻末に記載

M8周囲のHII領域や、北に伸びる天の川もまあまあ表現できたと思っています。

白鳥座アメリカ星雲周辺

2024/6/19撮影 北アメリカ星雲周辺

<諸元>

  • 撮影地:神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:2024/06/19(水)23:24 ~ 2024/6/20(木)01:32
  • 撮影条件:240sec x 24コマ(露光時間96分)
  • その他:共通条件を巻末に記載

デネブの回りににじみが出てしまいました。おそらく薄雲の影響では無いかと思っています。30コマ撮影したのですが、薄雲の影響でWBPPで6枚リジェクトされましたので。

北アメリカ大陸ペリカンから南のIC5068にかけてのHII領域がもっと濃くとらえられる事を期待していたのですが、甘かったようです。このエリアがもっと表現できれば迫力が増すでしょう。

共通条件

  • 機材:
    ASI294MCPro , FMA135(D=30mm,f=135mm),
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/DeepSNR/BXT/CS/GHS等

 

R200SS撮影実験など

最近似たようなタイトルばかりですが、「RS200SS撮影実験」というタイトルはこれで最後にします。

前回M16中心部の写真では、星の形が悪いのが気になったので、斜鏡、主鏡ともに昼間にコリメーションアイピースを使って再々調整しました。今回は星像による主鏡傾き調整は行わずに、そのまま撮影してみました。おとめ座周囲の銀河は既に電線カブリで狙えないので、最初に天頂付近のM101,M94、次に南天のM20の3つの天体を撮影しました。

結果としては、北天の2天体の方が星像が悪いという結果でした。天頂付近に望遠鏡を向けると斜鏡保持機構へのストレスが変化するのでしょうか。鏡筒を横にして調整した時の状態とは微妙に変わるのだと思います。

おおぐま座の回転花火銀河(M101)

2024/6/13撮影 回転花火銀河(M101)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/13(木)20:36 ~ 22:01
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 20コマ(露光時間80分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等

露光不足により、銀河内のHII領域の色が出ていません。また、M94もそうですが星像が左右に膨らんでしまっています。

りょうけん座のM94

2024/6/13撮影 M94

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/13(木)22:17 ~ 2024/06/14(金) 00:22
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 17コマ(露光時間68分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/DeepSNR/BXT/GHS等

かろうじて渦構造がわかりますが、あきらかに露光不足ですね。星の数も少なすぎます。。

いて座の三裂星雲(M20)

2024/6/14撮影 三裂星雲(M20)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/14(金)00:50 ~ 02:14
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 20コマ(露光時間80分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/DeepSNR/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等

三裂星雲の星像も完璧では無かったのですが北天よりはずいぶんましでした。そしてBXTのCorrectOnlyでかなり改善しました。露光不足により北側の青い反射星雲があまり描写できていません。

また、本来光軸調整をやるたびにフラット撮影をやり直す必要があると思うのですが、最近フラット補正が合わないし、GraXPertによるムラ補正が強力なので、いずれの写真もフラット補正はやりませんでした。

今後R200SSはだましだまし、まめに調整を繰り返しながら使って行こうと思います。この3枚撮影後、昼間にコリメーションアイピースで確認すると、やはり少しずれていましたので、斜鏡の角度調整ネジと主鏡の角度調整ネジを少し硬めにやり直しました。この作業かなり慣れました。

この状態で次の日の6/14、R200SSで初めて上弦の月を130倍に相当するアイピースで眼視観望しました。クレーターが圧巻で大変すばらしいものでした。遅い時間に上がって来た土星も眼視観望しましたが、環がほぼ真横に一直線になっている様子が良く観察できました。

次回は、今まで全く使っていなかったFMA135を使って6/14に撮影した星野写真を紹介します。

 

R200SS光軸調整2と撮影実験

前回は、PCに写したボケた星像を使って主鏡傾きを追い込んだところで雲により撤収したところまで記載しました。その後の効果確認では残念ながら星像に変化は有りませんでした。再度傾き調整やり直してみたのですが、結果は同じでした。

迷宮入り口でさ迷いながら、あいかわらずR200SSの光軸調整を続けています。星像の改善作業だけでは気持ちが持たないので、M16とかM20の撮影もやってみました。

今回行ったのは下記の通りです。晴天の夜が少なく、星の確認が終わったところで雲により撤収という日が続き、きびしい状態が続いています。

  1. ひどかった主鏡取り付け端の筒歪みを、体重をかけながら少しずつ矯正し、主鏡取り付けネジ6か所のうち1か所だけかなり固かったネジもスムーズに取り付けられるようにした。
  2. 当然1により主鏡の傾きが変わったので、調整量を減らすために鏡の端にフェルトでスペーサーを入れた。
    →これは大失敗で、片ボケが発生し縦の光条だけがきれいに2本出現してしまった。このスペーサーを取り去ってやり直した。
  3. 前回同様、コリメーションアイピースで覗きながら、昼間に斜鏡と主鏡傾きの調整を交互に繰り返しながら光軸調整
  4. 晴天の夜に、庭先で赤道儀の極軸調整後星像の確認および、PC上でぼかした星像を使った主鏡傾き再調整

4までやって撮影したアルタイルが下記です。

2024/6/7撮影 筒歪み強制し再度光軸調整後のアルタイル

前回ボケた星像による追い込み前のアルタイルは下記の記事参照。

webkoza.hatenablog.com

同じ60秒の撮って出しをfitsビューワーでオートストレッチしたものですが、今回の方が空の状態が良かったためアルタイルが大きく写っています。でも星の形は直っていません。なんか前回の方がむしろ良いかも。。

ひょっとしたら星のぼけ画像で主鏡傾きを追い込まない方がかえって良かったりして。追い込む前は写真を撮っていませんでした。追い込んだ後昼間にコリメーションアイピースで確認すると当然センターマークがずれてるんですよねえ。。昼間また傾き調整してセンターマークに一致させたので次回は星のぼけ画像での追い込みはやらないで撮影してみます。

この時点で、鏡筒の歪みや主鏡圧迫が原因では無い気がしてきました。コリメーションアイピースを回しても十字ワイヤー中心位置は移動しないので、十字ワイヤー交点位置精度の問題でも無さそう。

となるとドローチューブの歪みが原因なのかもしれません。最近のR200SSは、筒内部のドローチューブ取り付け部分に補強版が付いているそうです。

とりあえず今後やれるのは「斜鏡の中心マーク位置確認」ぐらいでしょうか。

2024/6/8撮影 わし星雲(M16とIC4703)中心部

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/06/08(土)00:38 ~ 02:43
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 26コマ(露光時間104分)
  • 編集:
    PixInsightで選別した写真をWBPP後、GraXpertでムラ補正、SPCCで色合わせ後DeepSNRでデノイズ。BXTや彩度増加等の編集後、トリミング(フルサイズ換算焦点距離3900mm相当)

創造の柱の解像感が出てていい感じなのですが、やはり星の形と色が悪い。本当は時間をかけてもっと青く若い星の色を出せば良いのですが、星像が悪いのでこれ以上時間かける気になりませんでした。

50%ぐらいにトリミングしているのですが、左下の星はBXTによる補正後「星割れ」が発生してしまっています。左右方向の「おにぎり型」とコマ収差の影響によるものです。

 

初夏の野鳥達_オオヨシキリなど

4月末から6月1日までの野鳥写真を紹介します。あいかわらず休日は無計画に車で移動して、コンデジPowerShot SX70HSと1脚」を片手に探鳥しながら散策しています。

最初の5枚は春季連休中に撮影しました。まずは平塚総合公園のシジュウカラ、この場所は高確率でシジュウカラメジロの水浴びを撮影できます。

2024/4/30撮影 シジュウカラ

次の1枚は、相模原市相模川沿いのキャンプ場周囲です。仲の良さそうな番のキンクロハジロ

2024/5/2撮影 キンクロハジロ

この日は、城山湖の公園に初めて行ってみました。広大な公園でキビタキのきれいな声が聞こえていました。

2024/5/2撮影 キビタキ

次の日はいつもの公園で見つけたキアシシギとオスのキジ。今年もキジの姿を見れるようになりました。

2024/5/3撮影 キアシシギ

2024/5/3撮影 キジ

下のホオジロは、三浦半島をドライブした時に寄った、宮川公園で撮影しました。ここは2基の風車で有名な公園です。木のてっぺんで盛んにさえずっていました。まだ少し寒い時期は草むらで見かけましたが、暖かい恋の季節になったという事でしょうか。

2024/5/19撮影 ホオジロ

いつもの公園にいた相模川ササゴイ

2024/5/26撮影 ササゴイ

そして、昨日6/1は東京湾葛西臨海公園に行ってきました。この公園を通って橋で渡る葛西海浜公園には、西と東の渚が有り、東の渚は野鳥保護区域で立ち入り禁止区域なのですが、おこぼれでシギチが撮影できるのではと思っていました。ところが、時間も10時を過ぎていたこともあり、西の渚は観光客だらけで野鳥は寄り付かず、東側の渚は、堤防により視界を遮られており遠望することもできず。。バーベキューも出来るようで、家族ずれには大変気持ちの良さそうな公園でした。

少し散策してから引き揚げようと思って橋を戻ってくると、臨海公園の園内地図にかなり広大な野鳥園があると書いてあります。地図では2つの大きな池があり、たくさん観察窓も用意されている様子。さっそく散策開始すると、池の近くはどこでも、オオヨシキリと推測できる大きな鳴き声が聞こえていました。

葦などが生い茂る池の横で1人の女性バーダーが鳴き声がする方向をじっと観察しているので、私も近くから観察していると、なんと私の目の前の木に飛んできて鳴き出しました。おかげで初撮影のオオヨシキリをたくさん撮影することができました。

2024/6/1撮影 オオヨシキリ

その後全ての観察窓をチェックしましたが、確認できたのはコチドリだけでした。

2024/6/1撮影 コチドリ

次回行く時はは開園の9時に行きたいと思います。

 

<初撮影>

オオヨシキリ

 

R200SS光軸調整1

天候不順により、いただき物のR200SSの光軸調整が完了していません。ひとまずここまでのログです。

望遠鏡の状態

最初LEDライトで主鏡の状態を観察すると、かなりの塵やほこりが堆積しているようでした。また円形センターマークは貼られておらず、マジックで付けた4点ドットが有りました。

斜鏡には、オフセットした位置にマジックでドットが打ってありました。斜鏡の中心を出すのは大変そうなので、これが正しい斜鏡中心だとひとまず信じて進めることにしました。

下記ではだいたい合っていると書きましたが、

webkoza.hatenablog.com

良く見るとやはり主鏡に付いている4点ドットの中心とコリメーションアイピースの反射板の中心がほんの少しずれていました。

鏡洗浄

斜鏡、主鏡の洗浄をしてから主鏡のセンターマークを付けなくてはなりません。

まず、斜鏡は取り外さずに、ドローチューブ側からブロアーで吹いてから、表面全体を軽くレンズ用クリーニング液がしみ込んだシートで拭いた後、レンズ用クリーニング紙で空拭きしました。

6か所のネジをはずして鏡筒から主鏡セルを取り外したところが下記の写真です。

主鏡セルを取り外した状態

中心に4点ドットがマジックで打ってありました。主鏡エッジ部分3か所には各2つのイモネジ付のツメが有ってこれが主鏡を挟み込んで下の円形台座枠に取り付けられているようです。台座枠と主鏡側面との間には、木片のようなスペーサーが何か所か挟んであり微妙に調整してあることがわかります。

R200SSは主鏡の台座への取り付け構造が変更になっているようなのですが、多分変更前のものだと思います。

台座枠からはずしてしまうと再度正確に取り付ける自信が無いので、今回は台座枠からは取り外さずに、ツメで軽くはさまれている円形の保護ゴム(写真の主鏡周囲の黒いリング,古いので伸びておりツメで抑えていない部分は結構浮いています)のみはずして洗浄しました。洗浄方法は斜鏡と同じです。

主鏡のセンターマーク貼り

「3頂点が全て円周上に有り直径を1辺とする三角形の直径以外の頂点は必ず直角である」(タレースの定理)により、まず直角定規を使って直角頂点を主鏡円周上に置き、定規と円周が交わるその他の2頂点の主鏡側面に目印を付けて、目印間に釣り糸を張ります。

主鏡は凹面鏡なので、主鏡より大きい定規を置いても主鏡表面を傷つけることは有りません。

これを異なる3か所で繰り返すと3本の直径糸が張られます。3本が正確に交わる点が中心点です。実際にはちょっとでもずれると3本が1点で交わらず、何回かやり直しました。

直径糸を張ったところ

この後3本の交点下にマジックでドットを打つのですが、糸の下に斜めにマジックを挿入する必要があり意外と難しかったです。ドットを打った後は糸を外してこのドットを中心としてセンターマークシールを貼りました。

マジックでドットを打つのが難しかったので、最初は鏡筒と一緒にいただいたシールを直接ピンセットでつまんで貼ろうとしたのですが、変な位置に貼り付いてしまい、剥がすと破れて2枚とも無駄にしてしまいました。しょうがないのでφ8mmのマイタックシールにφ4mmの穴をくり抜いて貼りました。貼る前に最初の4点ドットは無水エタノールで拭いて消しました。

センターマーク

斜鏡の調整

主鏡セルを取り外した場所と同じ位置にはめ込んで(鏡筒と主鏡セル台座枠側面にあらかじめ位置合わせシールを貼っておいた)6か所のネジで固定。その際だいたい元と同じぐらいの固さで固定しました。はずした時に気づいたのですが、1か所だけネジがかなり固い箇所が有るんですよねえ。。他は結構緩いのに。筒の歪みが原因の気がします。大丈夫だろうか。。

そして、コリメーションアイピース(国際光機)を使って再度確認すると、やはり斜鏡のずれが確認できたので、コリメーションアイピースの取説記載の通り、十字ワイヤー線中心と主鏡センターマーク中心が一致するように、斜鏡位置を調整しました。

主鏡の傾き調整

これはもう、コリメーションアイピースで覗いても、微妙なズレ具合が分かりませんので、実際の恒星を使って調整する事にしました。

下の写真は5/26に2時間ぐらい晴れ間が出て何とか撮影できた、主鏡調整前の写真です。アルタイルを撮影した撮って出し画像をfitsビューアーで自動ストレッチしたものです。

2024/5/26 23:44頃撮影 アルタイル  撮って出し_主鏡調整前

ASI294MCPro , Gain200 , センサー温度 -5℃  , 露光 60sec
R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
IRCutフィルター, CBPフィルター ,
AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡

撮影実験で観測した時と同様、左側が角張っていて右側が丸い感じです。いわゆる「おにぎり型」だと思います。

ピントをずらすと星像がボケていき、スパイダーにより4分割された円形像になります。この分割された領域面積が全て同じになるように、主鏡調整ネジを押し引きします。sharpcap上で出来るので手軽です。この方法は

webkoza.hatenablog.com

で、ズレ量の確認のために使いましたが、この時は画面を拡大していませんでした。今回200%に拡大したところ、ずれ方が結構良くわかるようになったので、精度よく調整できました。ただ、倍率を上げて調整ネジを回しているとすぐに画面からはみ出てしまうので、そのたびに赤道儀で中心に戻してから主鏡ネジをいじるという繰り返しでした。

この方法で追い込むことが出来たのですが、最後にこれで良し!と思ったところで全天雲だらけ。アルタイルもベガも全く写らなくなったため、調整効果を確かめる前に撤収せざるを得ませんでした。

一応コリメーションアイピースでの確認

なんか台風も来ていて、実際の恒星を使った調整効果の確認がいつできることやら。とりあえずコリメーションアイピースで覗いてみました。

恒星による主鏡調整後のコリメーションアイピース画像

この写真は、コリメーションアイピースの採光窓と望遠鏡先端の2か所をLEDライトで照らして、スマホで撮影したものです。

やっぱり良くわかりませんね。でも合っているように見えます。

 

R200SS撮影実験2

タイトルが素っ気ないのですが、R200SS+コマコレクターを使ってM64を撮影してみました。と言っても5/12の記事(R200SS撮影実験)でも予告したとおり、雲の出現によりあまり撮れず、14コマが残りました(数コマでは有りませんでした)。

比較的明るい銀河とは言え、良い感じになったのでびっくりしています。システムとしては、5/13の記事の図2の構成です。ドロワーは使えませんが、センサー直近に1.25インチIRカット、ZWOのEOS EFアダプターマウント内に2インチCBPを装着しています。光害カブリは有りましたが、PixInsightのGXPにてほぼ綺麗に無くなりました。

下記が仕上げた写真です。

2024/5/11撮影 黒眼銀河(M64)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm), IRCutフィルター,
    CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/05/11(土)21:54 ~ 22:56
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 14コマ(露光時間56分)
  • 編集:
    PixInsightで選別した写真を加算平均合成後、GraXpertでムラ補正、SPCCで色合わせ後DeepSNRでデノイズ。BXTや彩度増加等の編集後、トリミング(フルサイズ換算焦点距離7600mm相当)。

横幅16'ぐらいにcropしましたが、これぐらい強拡大すればコマ収差は気にならないレベルにはなりました。

BXTによる光軸ズレおよびコマ収差の修正がかなり凄いのですが、コマコレクターの効果も結構ある様です。

完ぺきでは無いので光軸再調整をやらないという理由にはなりませんが。。

 

R200SSによる直焦点撮影の準備2

残った準備課題としては、光軸再調整&主鏡洗浄のみとなりました。この時点までの経過をまとめてロギングしておきます。

カメラ接続システム

下図はどちらもR200SSドローチューブの60mmの口にねじ込めるようになっています。図1がビクセンの「接眼アダプター 60→50.8AD(R)」、図2が「直焦ワイドアダプター60(EOS、フォーサーズ用)」を使用したものです。

図2のTリングは、笠井の2パーツにセパレートできるもので、イモネジ付パーツの方を使用しています。

2つのパターンは一長一短有って、図1はコマコレクターが装着できませんがフィルタードロワーが使えます。図2はコマコレクターが使えますが、フィルタードロワーは使えません(おそらく合焦しません)。

前回までは、図1で撮影していましたが、いただいたコマコレクターを使いたいので今後は図2で当面撮影することになります。

図2では、TリングにEOS EF-RFマウント変換アダプターを装着すれば手持ちのEOS RPが接続でき、おそらく合焦するはずです。

CMOSカメラ用には、本当はCP+2024で展示された(?)「直焦ワイドアダプター60DX for 48mm」が発売されればベストなんですが。。これなら、無駄なバヨネット接続が無くなった分フィルタードロワーを装着して合焦するでしょう。

他に他社製のアダプター類が使えるのかもしれませんが、わかっていません。

ピント調整

デュアルフォーカサーが欲しい所ですが、いただいた鏡筒は古すぎるため、フォーカサーの構造上ビクセン純正のデュアルフォーカサーを使えないようです。

現状でも、購入したバーチノフマスクとAPTの「Vertinoff Aid」を使えば何とか追い込めます。最初のM83とM51の写真は、「Vertinoff Aid」を使っておらず、sharpcapのリアルタイム画像を見ながら調整したのですが、若干甘い気がします。「Vertinoff Aid」だと数値で追い込めるので良い感じです。

フードと結露対策

迷光防止用フードは純正の「200mm用対物フード」を購入しましたが、結露対策で鏡筒に巻いた、家庭用ガスレンジ周りで使用するアルミシート分の厚みによって装着しにくいです。改善の余地があります。

性能としてはまだわかりませんが、茅ヶ崎市の5月上旬湿度70%ぐらいでは今のところ結露しません。これからの季節どうなるか。。

束線

前回記載した通り、CMOSカメラ用の束線(USBと電源ケーブルの2本)と、その他の束線の2系統に分けたことと、カメラのコネクタ面、赤道儀のコネクタ面に貼ったケーブルクランプを必ず使うことにより、いまのところ問題有りません。

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AM5と130mmガイド鏡+PHD2でのガイド精度

カウンターウェイト無しで撮影すると、オートガイド中のエラーはまれに±6" に達する事があります。

3.8kgのウェイトで、そのまれなエラーは±4秒ぐらいになりました。今後2.8x2=5.6kgのウェイトで試してみるつもりです。

さらに、カウンターウェイト無しだとドリフトアライメントによる極軸調整時、南の天体に望遠鏡を向けた状態で、粗調のため水平回転クランプを緩める(微調用ノブでは無くて)と、鏡筒の重みで反対側が浮いてしまい、上から手で押し付けないでクランプを締めると、そのまま斜めに固定されてしまいます。このことからもカウンターウェイトは有った方が良いと思います。

その他

当然AM5は、ロスマンディ/ビクセンの両互換(デュアル式)なのですが、鏡筒搭載が結構やりにくいと思うのは私だけでしょうか。

重い筐体を暗闇で片手で支えながらてノブを回すことになるので、もう少し何とかならなかったのかなあと思ってしまいます。ビクセンの純正赤道儀だとそんなことないのかもしれませんが。