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R200SSによる直焦点撮影の準備

ブログを拝読させていただいており、御近所にお住まいのkさんに、使っていなかったR200SSを、大変ありがたいことに譲っていただいので、この望遠鏡を使った直焦点撮影の準備を進めています。

この望遠鏡、最初の発売から20年以上経っているビクセンのロングセラー製品です。口径はBKANCA-70EDTの3倍以上、焦点距離は2倍以上で、しかも使ったことが無いニュートン反射。ステップアップし過ぎの気もしていて、使いこなせるか不安なのですがやるしかありません。

現時点で、コマコレクター無しの状態で、BLANCA-70EDTによる直焦点撮影同様に、Baader PlanetariumのUFC System(フィルタードロワー)を使用して、ASI294MCPで直焦点撮影する準備が出来ました。

まだ撮影はできていませんが、ここまで準備した内容をロギングしておきます。

接眼アダプター

まず60mm接眼部を2インチスリーブに変換するビクセン純正のアダプターを購入。これで今まで使用していた2インチ系のシステムが使用できます。

www.vixen.co.jp

これを使って294MCPとアイピースによる眼視で、合焦することをベランダ越しの鉄塔で確認しました。

 

カウンターウェイト

ウェイト用のシャフト(AM5用)は持っているのですが、一眼レフカメラを取り付ける雲台を取り付けるためだけに使用していました。AM5の仕様では13kgまではカウンターウェイト無しでOKなのですが、重心が高くなった分全体の安定性に少し不安を感じたので、2.8kgのカウンターウェイトを購入しました。不足であれば1kg追加してもいいかも。

バーチノフマスク

とりあえず、巨大なバーチノフマスクを購入しました。今まで使っていたものと同じ取り付け構造で、長穴を移動できる3個の六角ネジで鏡筒外周から3か所で締め付ける構造です。ところがR200SS鏡筒の場合、先端部のスパイダー枠外周モールド部分がテーパー上になっており、マスクに添付の短いネジでは締め付けられず、滑ってマスクが落下してしまいます。

しょうがないので今までのマスクの六角ネジも使って、3か所各々2段にして長さを稼ぎました。これでひとまず固定できます。

フォーカサーは純正のものが装着されていますが、本格的にやるならデュアルスピードフォーカサーが必要だと思っています。本当に使いこなせそうなら電動化も視野に入ってくるかも。

フード

純正のフードが有ったので購入しました。

結露対策

とりあえず温度低下による結露防止のために、家庭のガスコンロ周りで使用するアルミシートを100均で購入して巻きつけました。効果あるかどうか。。

束線

信号線を無線化しておらず、USBケーブルと電源ケーブルをスパイラルチューブで束線して使っていました。今回の望遠鏡は、今までよりだいぶサイズが大きいのと、なぜかファインダーシューが後方についている(改造した?)ためオートガイダーとCOMSカメラの位置がかなり離れます。

これらの理由により、CMOSカメラ用の束線(USBと電源ケーブルの2本)と、その他の束線の2系統に分けました。BLANCA-70EDTでも共通で使うのですが、多分大丈夫だと思っています。

最終形

下記が直焦点撮影用の最終形です。

センターアイピース

kさん宅にお伺いした時に初めてセンターアイピースを覗かせていただいて、ほぼ光軸は合っていることを確認はしたのですが、自分でも確認する必要が有ると思って国際光器のコリメーションアイピースを購入しました。

www.kokusai-kohki.com

各社色々なものが有るようですが、老舗のベストセラーのようで、日本語取説完備なのでこれに決めました。

今後の課題

とりあえず思い付く今後の課題は下記です。一つ一つ解決していく必要があります。

  1. コマ収差の程度の見極め
    →場合によって「コマコレクターPH」の購入検討
  2. 光軸状態の見極め
    →ほとんど有っているが若干ずれている気もする。。
     場合によっては光軸調整実施
  3. 主鏡・斜鏡表面の付着汚れ(ほこり?黄砂?)の影響の見極め

    LEDライトを照射して覗くと、結構堆積している様子。いずれにしても扱いに慣れたら洗浄の実施は必要かも。
  4. ガイド精度の見極め

    QHY5L-IIM+ミニ・ガイドスコープの組み合わせでは、水平1px画角は、約6"/px。
    BLANCA-70EDT+294MCPの水平1px画角は、約2.26"。phd2によるガイディングは、ガイド星重心を複数の測定値を使ったアルゴリズムにより常に算出していて、その精度は1/10pxだそうです。よって約0.6"の精度でガイドできることになり、BLANCA-70EDT+294MCPでは、0.6/2.26 ~ 1/4 倍となるので理想では1/4ピクセルのエラーを検出・補正できることになります。
    これに対し、R200SS+294MCPの水平1px画角は、約1.2"。よって、0.6/1.2 = 1/2倍となるので、理想では1/2ピクセルのエラーを検出・補正できることになります。つまり単純に、検出・補正能力が半分になる可能性が有るわけです。
    ここでの試算はあくまで理想を仮定しています。検出・補正の繰り返しをモニターするphd2上のガイドグラフは、経験的にはこれほどの精度が出ません(極軸精度、赤道儀が持っているPM、たわみなどの影響だと思います)。
    また、たとえ1px分ガイドエラーが出ても、それが平均化されていれば直ちに星が流れる写真にはなりませんので、検出・補正能力が1/2になることがどの程度写真に影響するかは、実験で見極めるしかないと思っています。
    だめなら、ガイドスコープの焦点距離を延ばすか、オフアキシスガイドを検討するしかないです。