楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

R200SSファーストライトなど

GWも最終日の夜。明日からまた仕事が待っています。GWは屋根の塗装工事、R200SS直焦点準備、ファーストライト、画像編集作業、半年ぶりのボート釣り等、結構ドタバタしてました。

昨日5/5はいつものボート屋さんで4人乗りボートを借りて、東京湾の黄アジ釣りでした。釣行記は気が向いたら書きますが、美味しいアジを、アジ寿司、タタキ、なめろう、サンガ焼きで堪能しました。

今回はR200SSのファーストライト記事です。移動用鏡筒バッグがまだなかったので(本日届きました)自宅庭先で狙える天体として、M83とM51を撮影しました。

南の回転花火(M83)

本当は小口径では手が出なかったマルカリアンチェーンを撮りたかったのですが、1枚撮って、電線カブリが最初から発生することが分かり諦めました。

南の回転花火銀河(M83)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm), IRCutフィルター,
    CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるPlateSolvingとディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/05/03(金)21:32 ~ 23:39
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 24コマ(露光時間96分)
  • 編集:
    PixInsightで選別した写真を加算平均合成後、GraXpertでムラ補正、SPCCで色合わせ後DeepSNRでデノイズ。BXTや彩度増加等の編集後、トリミング(フルサイズ換算焦点距離3360mm相当)。

この銀河は、去年BLANCA-70EDTを使って撮影しています。

webkoza.hatenablog.com

この時の82分露光に対し今回は96分と14分程度長いだけですが、銀河構造のS/Nは相当上がっています。望遠鏡スペックの差がそのまま表れたと言っていいでしょう。

途中子午線反転動作を行った後、当然プレートソルビングをやり直しましたがなぜか少しずれてしまったため、左下の方の星にコマ収差が残っています。

コマ収差は、BXTによって星像改善を行うことを前提に、マイクロフォーサーズのセンサーにて、縦横半分の画角にクロップすれば何とか使えそうだという印象ですがBXTのかけ方に依存します。あまり強くかけると星が不自然に小さくなるので要注意です。そして、今回のように天体が中心からずれると修正しきれない星が目立ってきてしまいます。

それと光軸ですが、やはり少しずれている気がします。写真左にある輝星を見ると分かりやすいのですが、右に少し膨らんでいます。銀河周囲にも形が悪い星がありますが、これらも光軸ズレによるものでは無いかと想像しています。

極軸はいつものようにドリフトアライメントで1時間ぐらいかけてセッティングしました。これにより前回も書きましたが、phd2のガイドグラフは±2秒程度に収まります。しかし時々突発的に±4秒ぐらいにグラフが振れる時が有りました。この振れはまれに±6秒に達する事があり、この時の星は写真で若干流れるようです。

ガイド星が電線に近いと車のサーチライトで反射光が入射してガイドグラフが乱れることが有るのですが、今回はこれには該当しません。原因は不明です。南天低いM83に続けて撮影した、北天高いM51でも同じ現象が有ったので、鏡筒の前後重量のアンバランスでは無いと思っています。とりあえずカウンターウェイト1kg追加して東西重量バランスを改善してみようと思います。

アノテーション

今後は星像改善目標として、直径10'程度の天体で問題無いぐらいにしたいと思っています。いつになるかわかりませんが。。

子持ち銀河(M51)

連休中なので、M83に続いてM51も撮影しました。M51もBLANCA-70EDTで撮影しています。M51は正中後からの撮影なので子午線反転動作は不要でした。

2024/5/3撮影 子持ち銀河(M51)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm), IRCutフィルター,
    CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるPlateSolvingとディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/05/03(金)23:48 ~ 2024/05/04(土)02:18
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 26コマ(露光時間104分)
  • 編集:
    PixInsightで選別した写真を加算平均合成後、GraXpertでムラ補正、SPCCで色合わせ後、DeepSNRでデノイズ。星と星以外画像に分離し、各々BXTや彩度増加等の編集後合成。トリミング(フルサイズ換算焦点距離3360mm相当)。

webkoza.hatenablog.com

今回のM83から、DeepSNRプロセスを使用しています。これはstarnet2の作者が開発したデノイズプロセスで、深層学習を使った処理によりデノイズを自動でやってくれます。パラメータはStrengthだけ。恐ろしく簡単で且つ効果絶大です。

Debayerでは無くCFA Drizzle画像であればカラーカメラによる一括カラー画像にも適用できるそうなので使ってみました。DeepSNRはリニアとノンリニアどちらにも適用できます(選択チェックボックス有)が、ノンリニア段階で使用してみると、効果はあるのですが存在しないはずの星が散見されました。そこでリニア段階で実施してみたらこの現象は出ませんでした。

下記はM51のリニア段階でのDeepSNR適用結果です。

DeepSNRを CFA Drizzle 1x リニア画像に適用

Strengthはデフォルトの1.0にしました。今後銀河写真の場合、リニア段階の標準処理として、

GraXpertでムラ補正→SPCCで色合わせ→DeepSNRでデノイズ→(必要ならstarnet2で分離)→BlurXTerminatorで尖鋭化処理

でやってみようと思います。

アノテーション

M83もそうでしたが、完全に上が北になっていません。目検討でカメラ回転を行ったのですが、カメラの位置と赤道儀が離れすぎているので精度が出なかったというお粗末な結果です。戒めのために編集で修正していません。

みなさんどうしてるのかと思って調べてみると、星のつぶやきで、HIROPONさんが便利な物を紹介していました。さすが!さっそく入手しました。