前回のクラゲ星雲、北アメリカ星雲とペリカン星雲同様、画像編集の実験です。今回は去年撮影したカリフォルニア星雲のG,B成分を強調してみました。これにより少し星雲の構造を強調できた?でしょうか。。
下記は去年仕上げたカリフォルニア星雲
下記が今回再編集して仕上げたカリフォルニア星雲です。PixInsightのWBPPでIntegrationした画像を基に、編集をやり直しました。トリミングサイズは前回と同じです。
前回星雲は疑似AOO合成で色合わせしました。今回は、まずセンサーとフィルター特性を考慮したSPCCで色合わせして星雲と星画像を分離(以後星雲画像に対しての記述)。BXT後STFストレッチをしたら、その画像を使用してGとB成分をもとにした2つのマスクを作り、LRGBCombinationによる彩度増加後にマスクをかけて、GeneralizedHyperbolicStretch(GHS)によりGとBのストレッチを行いました。
PixInsightのGHSは、RGB成分ごとのHistgram上でS字カーブ補正の中心を指定できて数値で把握できるので、大変便利なツールです。今まで最後のトーンカーブ調整程度に使っていたのですが、前回および今回は、GとB成分強調のために使用しました。
下記は作成したGとB強調用のマスクです。
そして下記は、FilterManagerで登録してある、QBPIIIフィルターと294MCPの特性を乗算したRGB別感度特性です。GとBは若干異なるので、この差が出るのではないかと思って、2種類のマスクを作ってみた次第です。作り方は、ChannelExtractionで分解したGとB画像をRangeSelectionにより、「濃い部分だけ」全く同じ強度でマスク化しました。
結果的にGとBの違いは良くわかりませんでしたが、R以外の濃い部分を強調することはできました。
上図は上段がノンリニア段階初期のGHS使用前のHistgramで、下段がG,Bマスクで濃い部分(GとBの右の小山)を強調した後のHistgramです。この間全体RGBの調整や、背景濃度調整もやっているので単純比較はできませんが、G,B成分は小山が相対的に高くなって、マスクをはずしてRGBで補正したことによりRの右の緩やかな小山が相対的に低くなっていることはわかります。
HaとSIIを分離できるフィルターを持っていないので、SAO合成によるレインボー星雲にはできませんが、少し星雲構造を強調できた気がしています。
番外:GXPのデノイズ
今回最初のGXPによるムラ補正後、GXPのデノイズ機能を使ってみました。いつもはDeepSNRによりリニア段階でデノイズをやるのですが、SN比が悪い画像にDeepSNRをかけると「ノイズ星」が残ってしまう現象が出ることがあり、こういう時は非リニア段階でTGVDenoiseを使っていました。今回もDeepSNRはだめだったので、GXPのデノイズを初めて使いました。
AIバージョンを「Latest」を選んで実行したのですが、最初はAIエンジンのダウンロード中になりました。これが結構時間がかかりました。さらに、デノイズ自体もかなり時間がかかったのですが、結果としては良い感じで、Strengthを最高にして実行してもDeepSNRよりも弱い感じの仕上がりでしたが、十分使える感じです。
相変わらず何が正解か全くわからない画像編集の沼でもがいています。。