惑星や月の眼視観望で試してみようと思って、2インチ2xバローレンズを購入しました。まずは土星を眼視観望してみましたが、バローレンズ無しより大きく観察できるものの、あまり印象は変わりませんでした。やはり140倍程度では土星の眼視観望には向かないかもしれません。木星の方は、前よりは見ごたえが有りました。今度は大赤斑が見える日時にぜひまた観望したいです。
このバローレンズはレンズ部分を単独でM48のメスネジにねじ込む事ができるので、CMOSカメラとの相性が良いです。写真にするには焦点距離が足りない事はわかっているのですが、どんなものか試しに撮影してみました。下記が初めて撮影した拙い木星写真です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,BLANCA-70EDT+KASAI 2インチマルチショートバロー ,
IRCutフィルター, AM5赤道儀 ,
QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 ,
SharpCapによる動画撮影 ,PHD2による2軸オードガイド
, ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅近く農道 - 撮影日時:
2023/9/18(月)01:43 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
2msec , スタックフレーム数:70% in 183 - 編集:
AutoStakkertでスタック、Registaxでwavelet処理、
PaintShopProでトリミング
大赤斑は観察できないタイミングでしたが思ってたより横縞模様が良く出ています。初めて使ったAutoStakkertというフリーソフトによる動画フレームのスタック処理及びdebayer処理性能が良いのと、Registaxのwavelet処理の威力だと思います。これらソフトウェアには慣れておらず全く使いこなせていませんが、初心者でもそれなりの写真になります。そして土星の写真が下記。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,BLANCA-70EDT+KASAI 2インチマルチショートバロー,
IRCutフィルター , AM5赤道儀 ,
QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 ,
SharpCapによる動画撮影 ,PHD2による2軸オードガイド
, ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先 - 撮影日時:
2023/9/14(木)21:42 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
30msec , スタックフレーム数:50% in 100 - 編集:
AutoStakkertでスタック、Registaxでwavelet処理、
PaintShopProでトリミング
土星の写真はこれ以上トリミングで拡大するとセンサー画素が分かるほど荒くなってしまいます。
下記は、機材構成別画角(表1)と天体別画素数(表2)です。表2の構成番号列は表1の構成番号を指しています。これらの表は、水平と垂直方向の天体サイズに対応する画素数だけを比較するために単純算出したものです。
表2のトリミングサイズは、最終的にトリミングしたサイズを参考までに載せています。黄色のセルで比較をしてみると、土星は17ピクセル、木星は40ピクセル程度で天体の色を表現したことになります。土星は小さいのでPC上で拡大表示したくなりますが、17ピクセル程度では画素が見えてしまい写真としては無理があります。
木星程度の画素数で表現するには、5xバローレンズを使用すれば良いことが分かります(表2の緑セル)が、像の劣化が酷くなることは間違いないと思います。だとすると、焦点距離1000mmの望遠鏡にして、2xバローを使用することを思い付きますが、今の口径では暗すぎるので、口径を大きくしないとやはり現実的ではありません。
下記は、今回惑星撮影を行った機材接続図です。
50mmExtensionTubeで延長しないと合焦しませんでした。2xバローは、製品の先端部のレンズだけを外して、M42M-M48F変換リングの先端にM48ネジにネジ込んでいます。