楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

満月の夜のパックマン

今週は月が明るいのですが、天頂からやや北天のカシオペア座の天体ならいけるかと思って、昨日9/28パックマン星雲(NGC281)を狙ってみました。

昨日は仲秋の名月1日前。本当にきれいな月が出ていました。いつも読ませていただいている鳥撮ブロガーのモーさんがこの美しい月を撮影されていたようです。

miyabi1958.hatenablog.com

カシオペア座は、北東天から正中時刻までのかなりの時間、電線に邪魔されずに庭先から狙える天体であることは調査済みでした。19時過ぎに機材セット開始しましたが、見えてるはずのカシオペア座は見えません。まだ日没1時間であることと、月があまりに明るいためです。しばらくは最近購入した2xバローレンズを使って月面動画を撮影しようかと考えながら、セッティング完了。そしていつもの通り1時間かけてドリフトアライメントにより赤道儀を天の北極に向けてから、パックマン星雲NGC281を自動導入してみると予定通り電線カブリは全く問題無い位置です。しかもなんとなく薄くWの字が肉眼で見えてきていました。

そこで予定通り撮影開始。20:50ぐらいから23:30ぐらいまで撮影した写真が下記です。

パックマン星雲 NGC281

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , BLANCA-70EDT+KASAI ED屈折用フィールドフラットナーII ,
    IRCutフィルター,QBPフィルター , AM5赤道儀  ,
    QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    SharpCapによる撮影 ,PHD2による2軸オードガイド 
     , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2023/9/28(木)20:47 ~ 2023/9/28(木)23:29
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    120sec x 76コマ(総露光時間152分)
    月齢13.4(仲秋の名月1日前)
  • 編集:
     PixInsightで加算平均合成後トリミング
    (フルサイズ換算焦点距離1490mm相当)等

パックマンに見えます!(若い人に「パックマン」ってわかるのかな?)

内部のグロビュールや星雲の立体的な部分もそれなりに表現はできているのですが、コントラストが目論見より低いし荒いです。2分間の1コマ撮って出し画像が下記です。ZWOのfitsビューアーでデフォルト強調された画像です。

1コマ撮って出し画像

ほとんど星雲が見えません。これを76コマ合成して編集したのが最初の画像です。光害カブリによるムラや背景の明度が高く、Integration直後の画像も最近にしてはひどい状況でした。ほぼ満月からの強烈な光害が原因で間違いありません。

リニア段階でのムラ補正・PCC(色合わせ)・BXTは成功し、マスクワークによって強調処理・デノイズ処理を頑張っても、やはり天体部分が荒くなってしまいました。色々パラメータを調整してみましたが、BXTによる星雲と暗黒帯部分のコントラスト強調はS/Nが悪いと効果が低いようです。

狭帯域のデュアルナローバンドフィルターを使えばもっと違うのだろうか。。でもASI294MCPro+QBPでもっと滑らかな写真に仕上げている方もいるようです。月の無い夜に同じ機材で今シーズンもう一度撮ってみたいです。

下記はアノテーションを入れた画像。

NGC281アノテーション付き

直径30' 近くある大変大きな星雲です。滑らかに仕上がればもっとトリミングで拡大したかったです。中心付近にIC1590という散開星団があります。