冬先取りシリーズ第2弾!最も有名な散開星団「プレアデス星団(M45)」です。この調子で冬先取りしてしまうと、冬のブログネタが。。その時はその時ですけど。
この天体、直焦点撮影で狙うのは初めてです。9/17から9/18の0時過ぎにかけて1時間露光してみました。下記がその写真です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro , BLANCA-70EDT+KASAI ED屈折用フィールドフラットナーII ,
IRCutフィルター,CBPフィルター , AM5赤道儀 ,
QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡 - 支援ソフトウェア:
ステラリウムによる自動導入 ,
SharpCapによる撮影 ,PHD2による2軸オードガイド
, ASI Mount Serverによる赤道儀連携 - 撮影地:
神奈川県茅ヶ崎市自宅近く農道 - 撮影日時:
2023/9/17(日)23:42 ~ 2023/9/18(月)00:29 - 撮影条件:
Gain200 , センサー温度 -5℃
120sec x 30コマ(総露光時間60分) - 編集:
PixInsightで加算平均合成後トリミング
(フルサイズ換算焦点距離1063mm相当)等
この大きな散開星団は、オリオン座より先に上がってくるおうし座の胸のあたりにあります。(下記)
東天いまだ低い位置からの撮影にもかかわらず、CBPによる光害カット効果により、PixInsightのABEで光害によるムラは綺麗に取れました。ムラ補正処理がうまく決まるとマスクワークも楽になるため天体の強調処理や背景のデノイズ処理も楽になります。
有名なメローペ星雲を含む星団の周りで輝いている反射星雲の青い輝きと、刷毛で掃いたような筋も捉えていると自己満足。。この倍以上露光すればもっと星雲部分がなめらかになるでしょう。
プレアデス星団(すばる)の地球からの距離は約444光年。もっとも地球に近いメシエ天体で、天の川銀河内に有ります。近いこともあり、星団の周りで輝く反射星雲が大変美しいのが特徴です。
反射星雲は、周りのガスを電離するほどには温度が高く無いけど、ガスに含まれる塵を散乱光で照らし出すのには十分な明るさを持った恒星により輝いています。恒星に照らされて光っているのでそのスペクトルは恒星のスペクトル分布と一致しますが、光の散乱は赤い光よりも青い光の方により強く効くため、反射星雲は通常全体的に青く見えるのだそうです。強い光で周りのガスが電離されるときの放射光(特定波長)として見える輝線星雲とは異なります。このため光害カット効果はQBPよりは劣るものの帯域がQBPより広いCBPで撮影することにしています。
また、反射星雲は星形成の現場であることが多いようですが、このプレアデス星団の周りにある星雲は、プレアデス星団の恒星達が生まれた残骸では無くて、たまたまそこに有ったものであることが証明されているそうです。
下記はアノテーションを加えたものです。
M45の範囲は画面からはみ出しています。暗い恒星も含めれば、スタラリウムによれば1°50'もの直径があります。
プレアデス星団の別名は、「プレアデスの7姉妹」です。どうやら7番目に明るいプレイオネ(写真左の2つの星のうち上の星)は変光星で、昔もっと明るく楽に肉眼で見えたのだそうです。現在この星は5.09等です。また、この下のアトラス(3.62等級)に近づいて来て2つが1つのように見えるようになったという説もあるようです。