楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

南天低い秋の星座の惑星状星雲

夏休み中、みずがめ座の「らせん星雲」を撮影しました。最初は8/12自宅庭先でトライ。網状星雲の追加フレームも撮ろうと思っていたので、0.8xレデューサーレンズを装着しての撮影でした。CBP(コメットバンドパスフィルター)を使用して、総露光時間78分だったのですが integration後の画像を見るとS/Nが低すぎでボツにしました。ちなみに網状星雲は電線通過を待ちきれず断念。

そこで、8/18に近くの農道にプチ遠征して再チャレンジしました。この日はQBP(クワッドバンドパスフィルター)と1xのフィールドフラットナーレンズを使用しました。総露光時間も頑張って102分です。

8/18撮影写真を仕上げた画像が下記です。

らせん星雲(NGC 7293)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro ,
    BLANCA-70EDT+KASAI ED屈折用フィールドフラットナーII ,
    QBPフィルター , IR Cutフィルター,
    AM5赤道儀  , QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 , SharpCapによる撮影 ,
    PHD2による2軸オートガイド  ,
    ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:茅ヶ崎市自宅近く農道
  • 撮影日時:2023/8/17(木) 23:33 ~ 2023/8/18(金) 01:30
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    120sec x 51コマ(総露光時間102分)
  • 編集:
     PixInsightで加算平均合成後トリミング
    (フルサイズ換算焦点距離1640mm相当)等

ステラリウムによると、この南天低い惑星状星雲は、いて座の干潟星雲(M8)

webkoza.hatenablog.com

より4° 強北に位置していて(経度はM8よりかなり東です)、明るさは干潟星雲が6等級、らせん星雲が7.6等級です。

内部構造もまあまあ表現できて、北側の淡い腕のような部分もかろうじて写っています。M27もそうでしたが、この惑星状星雲も大変カラフルで見ごたえがあります。トリミングによる拡大率の差も有りますが、やはりM8にくらべ等級の差は大きく、102分の露光でもまだ不足だったようで、星雲外周部が荒くなってしまいました。

アノテーションを入れた画像が下記です。

らせん星雲(NGC 7293)アノテーション付き

縦方向15’ ぐらいの大きさが有ります。亜鈴状星雲(M27)

webkoza.hatenablog.com

が7' ぐらいだったので、らせん星雲(NGC 7293)は亜鈴状星雲(M27)の約2倍の大きさがあります。らせん星雲(NGC 7293)は地球から約700光年と太陽系に最も近い惑星状星雲の1つだそうです。 

最後に、Integration後編集前の8/12と8/18の撮影写真を並べたものを掲載しておきます。8/12の方は、光害カブリが目だち、露光不足により全くS/Nが足りていないのが良くわかります。

NGC7293編集前の写真比較:8/12撮影(左)と8/18撮影(右)