楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

初めての夏の散光星雲_干潟星雲

今日2023/7/8(土)は朝から、部屋飼いしている猫の脱走事件が有りました。

仕事の疲れか朝から体調が悪く、雨戸を開けてそのまま窓を開けたまま庭をボーっと2-3分眺めていました。我に返って窓を閉めてから10分後ぐらいでしょうか。窓越しの庭で、ルリ(メスの茶トラ)がニャーと鳴いているではありませんか!あれ?お前いつどこから脱走した?

窓を開けるとすぐに部屋に入ってきました。この子は極端に憶病なため、出たはいいものの怖くて庭でじっとしていたのだと思います。ボーっとしていた時に脱走に気づかなかったとしか考えられません。っということは。。レン(オスの黒猫)は?どこ?すぐに全ての部屋を探しましたが見つからず。。これは絶対脱走したのだと思って、近所を探し回るも見つからず。あきらめて家で待つことに。

そして、午後家で仕事をしてから、夕方近くのスーパーに車で買い物に行き帰って来て買ったものを冷蔵庫に入れていると、いつのまにかレンが出てきました。あれ?どこにいた?

以前もこういうことが有りました。家中くまなく探しても見つからずあきらめると出てくる。。神隠しか、どこでもドアーで出かけるのか。。

下記は最近の写真です。上の茶トラがルリで、下の黒ネコがレンです。仲の良い兄妹です。

ルリとレン

さてここからは、天体写真の紹介です。今回は夏の赤い散光星雲の代表である干潟星雲(M8)。この星雲は、とても大きく横幅は60' あり、明るさも6等級と明るいため、最も多く写真に撮られている人気の星雲の一つです。夏の天の川が濃い射手座の弓の上の方に有ります。下記が今回初めて撮影・編集した干潟星雲です。

射手座 干潟星雲(M8)

<諸元>

●機材:
ASI294MCPro , BLANCA-70EDT+KASAI ED屈折用フィールドフラットナーII ,
QBPフィルター , スカイメモSW  , QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
●支援ソフトウェア:
 SharpCapによる撮影 ,PHD2による1軸オードガイド
●撮影地:神奈川県茅ヶ崎市自宅近く農道
●撮影日:2023/6/18
●撮影条件:Gain200 , センサー温度 -5℃ ,120sec x 26コマ(総露光時間52分)
●編集:
 PixInsightで加算平均合成後トリミング(フルサイズ換算焦点距離1368mm相当)等

射手座 弓部分(ステラリウムより)

初めての撮影です。なぜ「干潟」なのかと思って調べてみると、中を横切る暗黒帯が干潟に見えるのだそうですが、私には良くわかりません。

大変明るい星雲なので良い仕上がりになりました。周囲の淡い部分をもっと濃く表現するには露光時間が足りないようです。

ここからは備忘録としての失敗談です。

この日は久しぶりに天候が良く夜中まで撮れそうだったので、近くにプチ遠征し、さそり座アンタレス周辺の星雲をモザイク合成用に上下2写野撮影した後、可能なら干潟星雲を撮るという計画でした。アンタレス周辺の反射星雲は、オレンジや青い部分も多いので、QBPでは無くてCBPで撮影するつもりでいたのですが、間違えてQBPを装着していたことに現場では気づきませんでした。

しかも、撮って出し画像を見ると、中央左下に丸い大きなシミかゴミのような跡が写り込んでいました。ゴミかと思ってブロアーで吹き飛ばそうにも、ブロアーを家に忘れて来ていました。。後で調べてみると、このシミはQBPフィルター表面についた大き目の汚れでした。

清掃用具は持っていたのですが、カメラを外してフラットナーレンズ前方に装着した48mmのフィルターの掃除をするとなるとスカイメモの場合、DA(ドリフトアライメント)のやり直しになります。画像処理で除去できると信じて、時間がもったいないのでこのまま強行することにしました。この時はCBPだと思い込んでいたわけですが。

こうしてアンタレス周辺の星野写真は失敗に終わりました。2写野ともに総露光時間60分と頑張ったのですが、赤以外の星雲の写りが悪く、しかも淡いオレンジの反射星雲部分と上記シミが重なっており、どうにも完全に除去できませんでした。でも、PixInsight上で初めてモザイク合成に成功し、ゴミの除去手法も確立できたのは次回につながる良かった点です。

そして、M8についてですが、なにせ初めてなので、以前紹介した下記ステラリウムを使用した導入法によって、アンタレスの導入から始めて、時間をかけて導入しました。

webkoza.hatenablog.com

撮影開始後、双眼鏡でM8方向を見てみると、なんと、もやっとした星雲の姿を視認できるではありませんか。茅ヶ崎の公害地では絶対視認できないと思っていました。月が無かったとは言え、意外でした。であれば、手持ちの双眼鏡と同一視野の正立ファインダーを付ければもっと楽に導入できたはず。。ま、次回はそうしよう(と思っていましたが、後述の理由によりその必要は無くなったのでした)。

そして、当然例のシミが写り込んでいました。しかし偶然星雲部分からは外れていた事と、星雲部分とのコントラストが大きいので、PixInsightのDBEでなんとか除去できました。下記はPixinsightの画面です。上の段の2枚はSTFというプロセスで強調表示しています。

右上がムラ補正用プロセスDBE(DynamicBackgroundExtraction)による補正前。絶望的な大きな丸いシミが写り込んでいます。左上が補正後。ほぼ目だたなくなっています。下は、DBEを行うためにポイントした背景部です。マウスクリックでポイントしますが、この数をクリックしたのは初めてでした。指がつりそうになりました。

シミの除去:PixInsight DBEにて

PixInsightで、この後色々な処理を行って仕上げています。

実は、赤道儀を新調しました。本当は、M8と同一写野で撮影されることが多い、三裂星雲(M20)を撮影してから新調しようと思っていたのですが、この時期撮影できる日があまりに少ないため、待ちきれずに買ってしまいました。つまり、今回のM8が最後のスカイメモSWによるディープスカイ写真になると思います。

買ったのは、波動歯車赤道儀としてそのコスパの良さから、ゲームチェンジャーとまで言われている、ZWO社のAM5赤道儀です。当然2軸モータードライブ赤道儀で、2軸オートガイドと自動導入ができます。2023/7/6に、ファーストライトとして既にM20の撮影を行いました。この紹介はまた次回。