前回の月齢16.4の写真は、最も鋭い写真になったと言いましたが、良く見るとなんかぼけた様な月面でした。あれから、新しく2xバローレンズを入手したので初めてこれを使って撮影してみました。撮影日は満月1日前の10/27で月齢12.4。下記がその写真です。
<諸元>
- 機材:
ASI294MCPro ,BLANCA-70EDT+KASAI 2インチマルチショートバロー2x,
IRCutフィルター , スカイメモSW(極軸テキトー) - 支援ソフトウェア:
SharpCapによる動画撮影 - 撮影地:神奈川県茅ヶ崎市自宅ベランダ
- 撮影日:2023/10/27(金)
- 撮影条件:Gain120 , センサー温度 -5℃ , 露光時間 2ms/1Frame
- 編集:
:AutoStackkertで140フレーム中上位50%スタック・
Registax6でWavelet編集・輝度/コントラスト調整
PaintShopPro7.04でトリミング(フルサイズ換算焦点距離2316mm相当)
前回に比べるとボケた感じは無くなりました。
前回は0.8xレデューサーを入れての撮影でした。焦点距離は前回が338mm、今回は840mm(実際は2倍になって無いのでもう少し小さいはず)とかなり差があります。当然今回の方が解像感は増しているのですが、もう少し良くなることを期待していました。単純な口径比を比較すると、前回はf4.8で今回はf12にもかかわらず、前回と同じ1コマ2msはちょっと。。何も考えてませんでした。
下記は、8/4撮影と10/27撮影のコペルニクス/ケプラー/アリスタルコス(画面右から右回りで)のトライアングル部分のみをクロップしたものです。
基画像の拡大率の違いはそのまま維持しています。これを見る限り、10/27の解像感が大きく優っています。
下記は、アリストテレス(左上)からポセイドニオス(右下)までの部分をクロップしたものです。満月を挟んで太陽光照射面が逆なので、比較のため10/27撮影の方は明るさを8/4撮影相当に減らす編集をしています。どうでしょうか。
なんか今一違いがはっきりしませんよね。確かにクレータ周りの模様の解像感は高まっていますが、クレーター自身の立体感は8/4の方が良くも見えます。この程度の焦点距離でそもそもクレーターの立体感を追求しても意味が無いことは分かってはいるのですが、もっと露光を増やせばもう少し何とかなる気がしてきます。
前回は、Registaxでスタックを行いましたが、今回はAutoStackkertで品質上位50%のみをスタックしたので、スタックしたのは全70フレーム。。この違いも大きいかもしれません。
次回は4ms/コマで、300フレームは撮影したいです。今回140フレームとしたのは、極軸を全く合わせずに撮影開始してしまったことにより、画面から逃げていく速度が速く、これ以上の撮影は無理だったためです。やはりちゃんと極軸を合わせて次回は望みたいと思います。いつになるかわかりませんが。
最後に下図が今回撮影した光学系接続構成です。