今回は、hkir改造したEOS RPとBLANCA-70EDTによる直焦点撮影のために初めて揃えた機材の紹介記事です。予定では、冬の赤い散光星雲を、初めてそれなりに仕上げた記録も記載するつもりでしたが、長くなってしまったので、作品紹介は次回以降に回します。
機材全景
最初の記事で紹介した機材なのですが、良く見るとカメラを搭載していない写真だったので下記に再掲します。
この写真の機材のうち、カメラ本体と赤道儀(微動雲台含)・三脚以外を一気に揃えました。前述の通り、赤道儀はスカイメモSW、望遠鏡は口径7cm・F6(焦点距離420mm)3枚玉アポクロマートのBLANCA-70EDTです。写真ではEOS RPに装着したフラットナーレンズをドローチューブの48mm開口部に差し込んで、固定しています。
写真のドローチューブはだいたいいつも合焦する位置です。見れば分かる通り、ずいぶん引き出されていて、明らかに後方(カメラ側)ヘビーになっています。左右バランスはケンコートキナー純正の1kgバランスウェイトで何とかバランスしているのですが、前後バランスしていません。このアンバランスが原因なのかわかりませんが、長時間のディザリング撮影でガイドズレが発生します。このあたりの苦労話はまた別途。
フラットナーレンズ
望遠鏡とEOS RP本体との間にある部品は下記の通りです。
KASAI ED屈折用フィールドフラットナーⅡ
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KASAI 48mm 大型Tリング(EOS用)
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EF2RFマウント変換アダプター(SHOTEN)
フラットナーレンズは、望遠鏡レンズの周辺収差(色収差や像面湾曲収差)を補正してくれる倍率x1.0のレンズです。最初は、
というKASAIの0.8倍レデューサーレンズのみを購入し、420mm撮影は、バレル延長筒を使用して撮影するつもりでしたが、周辺収差が少し目立つことがわかり、フラットナーレンズも購入することにしました。
レデューサーはフラットナーレンズ同様周辺収差補正レンズですが、同時に焦点距離を短くしてくれます。よって0.8倍だと焦点距離336mmのF4.8相当になります。
ここに、KASAIの上記補正レンズ2種のレビュー記事が有ります。なかなか良い評価です。使った感じもこの記事の通りです。
もし直焦点撮影用に望遠鏡を購入する場合は、カメラとの接続部品について、事前に望遠鏡メーカーに相談することをお勧めします。あまりテキトーに選んでしまうと、望遠鏡のバックフォーカスの制限で合焦しないということが起きるかもしれません。笠井トレーディングの場合メールでかなり詳細に質疑応答してくれました。
オートガイダー
望遠鏡のファインダー台座に載っているのが、オートガイダーとミニガイド鏡です。これらがセットになった、
QHY CCD QHY5L-IIM+ミニ・ガイドスコープセット
という商品です。ガイドスコープは3cm・130mmとちょっと暗いので、常に明るい星をガイド星に選びたくて、最初ケンコートキナーの微動台座(バランスウェイト取り付け部と赤緯体が付いている台座,スカイメモの赤経アリミゾに装着)に取り付けられる、ボール雲台を購入しそこに取り付けていました。ところがこのボール雲台の重量によりスカイメモの総重量5kg制限をオーバーしたためガイドが撮影中にずれていく事が多いため断念しました。今は写真の通り、望遠鏡のファインダー台座に乗せています。これだと望遠鏡と同一方向に向いているので明るい星が少ない場合もありますが、いまのところガイド星は必ず見つかります。
ファインダー
KASAIの5cm正立ファインダーも購入しました。正立像が得られる高性能ファインダーで、しかもミザール双眼鏡BK-8040とほぼ同一視野となるため、大変便利です。双眼鏡で見つけた天体をファインダーで楽に導入できます。ファインダーを使う時は、オートガイダーと換装して使っています。私が住んでいる茅ヶ崎市は公害地ですので、なかなか天体観望する気にはなれないのですが、でも惑星やメジャーな星団、M42などのメジャーな星雲の観望にはこのファインダーは大変便利に使えます。欲を言えばもう少し、2本の光軸調整ネジが固く固定できると安心です。緩いのでズレてないか心配になります。
スティックPC等
下の写真は、三脚の下に置いている下記3点です。
- モバイルバッテリー+スティックPC
- USB3.0 HUB
- レンズヒーター用モバイルバッテリー
モバイルバッテリーは、いずれも出力2.0A以上あるものです。スティックPCのスペックは、「ATOM1.44GHz、メモリ4GB、Wifiステーション、OS:Windows10」です。これぐらいのPCでも今のところ十分です。1世代前ということで、折り畳みBlutoothキーボード付きのセットで、17,800円で買えました。
別に用意したノートPCにUSB接続した小型Wifiルーター(これも1世代前の安いもの)をインフラストラクチャーモードにして、スティックPCとノートPCをWifi接続しています。これにより遠征時のオートガイド撮影は、車の中から行えます。夏になったら、キャンプも兼ねてテントの中で撮影したいと思っています。
次回こそ初めての直焦点撮影写真を御紹介します。