楽しい記憶

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訂正記事_フィルターによるムラ

今回の記事は私にとって新しい教訓なので備忘録として記録しておきます。

12/3に撮影したモンキーヘッド星雲の記事で、「対象以外にごく淡い複雑な星雲が写っていてこれをABEのfunction degreeを20次以上にして取り除いた」と書きました。しかしこの「モンキー星雲の周りの淡い星雲」、ネットでどう調べても存在しません。下図は先日Integrationした直後の画像を強調したものです。L-eXtreme画像だけに複雑な淡い像が写っています。

Integration直後 -- 左:L-eXtreme画像 右:CBP画像

おかしいと思い、試しにL-eXtremeフィルターをドロワーに装着した状態でFLATを撮ってみました。下記がその画像です。取って出しをFITS Viewerで表示したものです。ちなみにWBPPにかけたFLAT画像はCBPで以前撮影したマスターFLAT画像を使っていました。

淡い星雲だと思っていたものと同じ形状のものがFLAT画像に写っています。星雲では無かったわけです。では何か。。CBP画像にはこのムラは写っていません。

フィルターによってムラが発生するとはもともと思っていなかったので、いつものようにCBPで撮影したマスターFLAT画像を使用してWBPPを行ったわけです。。

FLATに写るという事はこの画像を使ってWBPPにかければ補正できるということなので、試しにWBPPをやり直してみると見事に消えました。

フィルタームラをFLAT補正したIntegration直後の画像

通常の光害のみになっています。この画像だとABEのfuction degreeは4次で十分ムラが取れました。

ネットで調べてみると、このムラ、センサー感度ムラやフィルターの反射によるムラという説があります。前者だとするとCBPやQBPで発生してもおかしくありませんが、そうならないので、後者のドラワー内乱反射だと思っています。

だとするとカメラとドロワーの回転位置に左右される事になりますが、ドロワーにはカメラ側をねじ込むのでいつも同じ回転位置になるでしょう。望遠鏡に対してカメラは必ずセンサーの上が北になるようにセットするので、今まで通りマスターFLATを使えると思ってます。

でも、今までのようにCBPで撮ったFLATをテキトーに代用することはできません。必ずL-eXtremeフィルター専用のマスターFLATを使うようにしないといけないというのが教訓です。