楽しい記憶

天体写真や花鳥風月の写真など

Pickering's Triangle

この時期昼間活動する場合の敵は暑さですが、夜に庭で活動するには人知れず刺してくる虫が最大の敵です。7/3は昼も夜も快晴だったのでR200SSを使ったピッカリングの三角撮影のリベンジです。虫よけを肌に塗り、芝の上にも撒いてベープマットを置いていたのですが、2か所刺されてしまいました。

今回はDarkもFlatも撮り直しました。最近のDark画像を良く見ると、ホットピクセルが結構増えてきています。買ってからまだ2年経っていないのに。このペースで増えていくのだろうか。。それともどこかで飽和するのだろうか。モノクロカメラより色毎の画素数が少く不利な上にこの調子で減って行ったら。。

下記が仕上げた写真です。今回は縦型にして三角の下に伸びる足も入れてみました。

白鳥座ピッカリングの三角

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    L-Extremeフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/08/03(土)22:18 ~ 2024/08/04(日)02:11
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 37コマ(露光時間148分)
  • 編集(PixInsight):
    FBP/GraXpert/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等
    フルサイズ換算1890mm相当にトリミング

Dark減算によりIntegration後の画像のカラーバランスが破綻する現象は、今回出ませんでした。無事ホットピクセルやアンプグローは除去されており一安心。

前回のR200SSよりも星雲の色表現はうまくいきました。

webkoza.hatenablog.com

そして今回は無駄な2インチIrCutフィルターを取り除きました。これによりL-extremeフィルターによる乱反射によるムラは軽減はしましたが、まだ残っており、しかもFlat補正で完全に取り除けていませんでした。これがやはり難敵です。最初にcropしてから編集開始しましたが、除去しきれず。この影響で右上と左上の星の色が赤に寄ってしまっています。

今回もL-extremeフィルターの特性を考慮したSPCCで色合わせしようとしましたが、なぜか赤色に支配されてしまったのでやめました。これも「L-extremeによる乱反射ムラ」が原因だと思っています。何とかしないとかなり厳しいようです。

次の日8/4の夜は、初めて三日月星雲をR200SSで撮影しました。R200SSでは今までFlatが1回も合っていませんが、この撮影で何となく原因が分かった気がしています。編集完了したら記事にします。

 

再編集_カリフォルニア星雲

前回のクラゲ星雲、北アメリカ星雲とペリカン星雲同様、画像編集の実験です。今回は去年撮影したカリフォルニア星雲のG,B成分を強調してみました。これにより少し星雲の構造を強調できた?でしょうか。。

下記は去年仕上げたカリフォルニア星雲

webkoza.hatenablog.com

下記が今回再編集して仕上げたカリフォルニア星雲です。PixInsightのWBPPでIntegrationした画像を基に、編集をやり直しました。トリミングサイズは前回と同じです。

2023/11/18撮影 カリフォルニア星雲

前回星雲は疑似AOO合成で色合わせしました。今回は、まずセンサーとフィルター特性を考慮したSPCCで色合わせして星雲と星画像を分離(以後星雲画像に対しての記述)。BXT後STFストレッチをしたら、その画像を使用してGとB成分をもとにした2つのマスクを作り、LRGBCombinationによる彩度増加後にマスクをかけて、GeneralizedHyperbolicStretch(GHS)によりGとBのストレッチを行いました。

PixInsightのGHSは、RGB成分ごとのHistgram上でS字カーブ補正の中心を指定できて数値で把握できるので、大変便利なツールです。今まで最後のトーンカーブ調整程度に使っていたのですが、前回および今回は、GとB成分強調のために使用しました。

下記は作成したGとB強調用のマスクです。

G(左)とB(右)強調用マスク

そして下記は、FilterManagerで登録してある、QBPIIIフィルターと294MCPの特性を乗算したRGB別感度特性です。GとBは若干異なるので、この差が出るのではないかと思って、2種類のマスクを作ってみた次第です。作り方は、ChannelExtractionで分解したGとB画像をRangeSelectionにより、「濃い部分だけ」全く同じ強度でマスク化しました。

QBPIII+294MCPのRGB感度特性

結果的にGとBの違いは良くわかりませんでしたが、R以外の濃い部分を強調することはできました。

G,B成分マスクによるストレッチ前(上段)と後(下段)のHistgram

上図は上段がノンリニア段階初期のGHS使用前のHistgramで、下段がG,Bマスクで濃い部分(GとBの右の小山)を強調した後のHistgramです。この間全体RGBの調整や、背景濃度調整もやっているので単純比較はできませんが、G,B成分は小山が相対的に高くなって、マスクをはずしてRGBで補正したことによりRの右の緩やかな小山が相対的に低くなっていることはわかります。

HaとSIIを分離できるフィルターを持っていないので、SAO合成によるレインボー星雲にはできませんが、少し星雲構造を強調できた気がしています。

番外:GXPのデノイズ

今回最初のGXPによるムラ補正後、GXPのデノイズ機能を使ってみました。いつもはDeepSNRによりリニア段階でデノイズをやるのですが、SN比が悪い画像にDeepSNRをかけると「ノイズ星」が残ってしまう現象が出ることがあり、こういう時は非リニア段階でTGVDenoiseを使っていました。今回もDeepSNRはだめだったので、GXPのデノイズを初めて使いました。

AIバージョンを「Latest」を選んで実行したのですが、最初はAIエンジンのダウンロード中になりました。これが結構時間がかかりました。さらに、デノイズ自体もかなり時間がかかったのですが、結果としては良い感じで、Strengthを最高にして実行してもDeepSNRよりも弱い感じの仕上がりでしたが、十分使える感じです。

 

相変わらず何が正解か全くわからない画像編集の沼でもがいています。。

 

再編集_クラゲ星雲・北アメリカ星雲

毎月kさん主催の月夜会ミーティングに出席させていただいております。このミーティング、天体写真分野では凄い方ばかりで、私にとって大変勉強になるありがたい場になっています。昨日のミーティングで紹介いただいた画像編集技術で、RGB分解後のG成分を用いたマスク処理や、どこかで読んだ記憶が有ったのですが今までやっていなかったLRGBCombinationによる彩度増加を試してみたくなり、過去に撮影した写真2つを再編集してみました。

ふたご座のクラゲ星雲

冬の星座であるふたご座のクラゲ星雲です。下記が前回編集時の記事

webkoza.hatenablog.com

L-Extremeフィルターを使い始めの頃に撮影しました。淡い天体で、露光時間が少な過ぎでノイズが多い画像なのですが、今回主に下記の事を行って再編集しました。

  1. 星雲はCBPとL-Extreme撮影の単純比較明合成
  2. ノンリニア段階での星雲の彩度増加にLRGBCombinationを使う
    (自分のL成分をLRGBCombinationで元画像に合成)
  3. 星雲はL-Extreme撮影のG成分をマスク化してGHSで強調処理

下記が仕上げた写真です。

2023/12/07撮影 ふたご座のクラゲ星雲(IC443)

クラゲ周辺部の緑を少し出せて、だいぶ良くなったと思っています。今回はトリミングサイズを少し大きくしました。

フルサイズ換算930mm相当

また、星雲を目立たせるためBXTでもう少し星を小さくなるようにしました。

アメリカ星雲とペリカン星雲

こちらは先日撮影した、白鳥座にある大きな2つの星雲です。前回の記事は下記。

webkoza.hatenablog.com

今回下記を行いました。

  1. 星雲はL-Extreme撮影のG成分をマスク化してGHSで強調処理

これを行ってから星画像と合成しました。下記が仕上げた写真です。

2024/7/8撮影 北アメリカ星雲とペリカン星雲

星画像との合成前の星雲画像に、追加でG成分から生成したマスクをかけてGHSにより、GとBのS字カーブ補正を行いました。

これだけなのですが、前回平面的な赤一色のイメージが、今回はより立体感が出て迫力がかなり増しました。

 

北アメリカ星雲とペリカン星雲

7/8にFMA135を使用して北アメリカ星雲とペリカン星雲を撮影しました。下記6/19撮影と同じ構図です。

webkoza.hatenablog.com

但し今回はデュアルナローバンドフィルターで撮影しました。下記が仕上げた写真です。

2024/7/8撮影 北アメリカ星雲とペリカン星雲

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , FMA135(D=30mm,f=135mm),
    IRCutフィルター,L-Extremeフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/07/08(月)21:17 ~ 2024/07/09(火) 00:56
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    120sec x 34コマ(露光時間68分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等
    フルサイズ換算307mm相当にトリミング

下部のIC5068に至る淡い部分も表現でき、だいぶ迫力が増しました。やはりデュアルナローは凄いですね。6/19の撮影ではCBPを使って96分だったのが今回は68分です。当日は断続的にやって来る雲に悩まされ、BLINKで40枚も落としたのでどうなるかと思っていましたが、これだけ表現できればまあ満足な結果です。

でも今回もdebayerで緑化現象が起きました。結局WBPPで、dark、biasファイル無しで、calibrationしました。つまりマスターflatとマスターlightはdark・bias減算されていません。幸いflat補正はうまくいっており、例のゴーストや周辺減光はきれいに除去されていました。しかし当然アンプグローが盛大に残っており、トリミングせざるを得ませんでした。

なぜdarkを入れると緑化現象が起きるのか。。今後の大きな課題です。

 

白鳥座の網状星雲

去年も撮影した有名な網状星雲を、2つの光学系で撮影しました。今回はどちらも
L-extreme フィルターを使用しています。この天体を庭から撮影するには電線通過待ちが発生するので、遅い時間帯からのスタートとなってしまいました。

下記は去年撮影の「いの字」です。

webkoza.hatenablog.com

まずは7cm f6 の屈折鏡筒で撮影した写真です。

2024/7/7撮影 い

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , BLANCA-70EDT(D=70mm,f=420mm)+KASAI 0.8xReduser,
    IRCutフィルター,L-Extremeフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/07/07(日)23:11 ~ 2024/07/08(月) 02:36
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    120sec x 76コマ(露光時間152分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等
    フルサイズ換算680mm相当にトリミング

去年の写真と比べてみると、だいぶ良くなりました。三角から南に伸びる足も表現でき、何より青が良く出て、カラー解像度も増しました。欲を言えば中央部の下の方の淡い部分がもっと表現できれば迫力が増すと思います。

ピッカリングの三角

次はピッカリングの三角と呼ばれる「いの字」内中央右側にある部分をR200SSを使って撮影した写真です。

2024/7/5撮影 ピッカリングの三角

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,L-Extremeフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/07/06(土)00:52 ~ 03:20
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 22コマ(露光時間88分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等
    フルサイズ換算1810mm相当にトリミング

最初のいの字の写真とは色合いが結構異なってしまいました。

突っ込みどころ満載です。星のピントはズレてるし、肝心の三角の下切れてるし。せめてカメラを90℃回転して撮影すべきでした。デュアルナローだと光条が出る鏡筒ではピントのズレが目立っちゃいますね。長時間やる場合はまじめに何回もピント合わせ必要だと痛感。そしていいかげんバシっと上を北に合わせろって天の声。。

WBPPで10枚もrejectされたのは、ピンボケが原因かもしれません。

7/7撮影の写真と比べると、あまり星雲自体の解像感は変わらない気がしますが、こちらはだいぶ露光時間が短いです。にも関わらず、これだけ写るのは明るい鏡筒だからでしょうね。

編集苦労話

ここからは備忘録です。

今回、最初に「いの字」を編集し、その後「ピッカリングの三角」を編集したのですが、どちらも編集に大変苦労しました。理由は両方ともWBPPの初期設定ではうまくIntegrationされなかったためです。

Integration後の画像は緑が強く出ていて、カラーバランスがおかしいなんてレベルでは無く、赤が全く存在しないような画像になっていました。下記は最初debayerdフォルダーに残っていた1コマ分の「いの字」の画像です。

カラーバランスがおかしいdebayerdフォルダの画像

あきらかにおかしいので、***_ProcessContainer.js ファイルをPixinsight上で実行して1プロセス毎に追っかけてみると、calibrationで作成された画像を使ってdebayerした後に上記のようになっていることが判明。思い切ってcalibration画像では無く、もともとのfitファイルを指定してdebayerしたところ、いつも見ている画像になったので、以後1プロセスずつ手動で仕上げました。calibrationしていないので、当然アンプグローが残っていましたが、大胆にcropして解決。幸いL-Extremeフィルターによるゴーストや周辺減光も淡いので何とか取り除けました。

次に「ピッカリングの三角」ですが、こちらも全く同様でした。calibrationしないのも何なので、ためしに、MasterDark OptimizeをONにしてCaibrationし、1プロセスずつやり直したところ、緑一色状況は改善されました。しかし、このオプションはDark画像がLight画像と異なる露光時間の場合に有効だそうで、同じ露光時間の場合に適用すると色々弊害があり、その一つがアンプグローが消えないことだそうです。

今回もアンプグローは残っていました。「MasterDark Optimize」についてさらに詳しく調べる必要もありそうです。

また、緑一色状況は改善されたのですが、「ピッカリングの三角」は明るい光学系でしかも、4分/コマと2倍なので、L-Extremeフィルターによるゴーストも目立っており、Flatが合っていない感じでした。光害カブリも以外に目立っていましたが、一番苦労したのはこのフィルターによるゴーストの除去でした。

実はピッカリングの三角の前に彼岸花星雲(NGC6357)中心部をR200SSで撮影したのですが、Integration後の画像を見て編集をやめました。網状星雲のような緑一色状況では無かったのですが、上記ゴーストが星雲全体と被っており、除去できる気がしなかったからです。

ところでここで疑問が。。L-Extremeフィルターによるゴーストは、こちらで考察したように、鏡面状のフィルター面とフィルタードロワー内乱反射が原因だと考えていたのですが、R200SSでも全く同じ形状のゴーストが出たわけです。となるとフィルタードロワー内の乱反射では無かった(R200SSではドロワーを使っていないから)ことになります。

これも究明する必要があります。BLANCA-70EDTとR200SSによる私のシステムで共通な部分は、カメラですが、まずはカメラのセンサー直前に無駄に付けっぱなしにしているIRカットフィルターを疑ってみようかと思います。

 

亜鈴状星雲M27

7/4(木)に亜鈴状星雲M27を撮影しました。この惑星状星雲は去年BLANCA-70EDTで撮影しています。

webkoza.hatenablog.com

今年はR200SSを使って撮影しました。下記が仕上げた写真です。周りの淡い星雲の広がりが少し表現できたことにより、ずいぶん前回とは形が異なっています。もはやダンベルには見えませんね。でもまだまだです。次はデュアルナローバンドフィルターで撮影してみたいです(来年かも)。

2024/7/4撮影 亜鈴状星雲(M27)

↓↓ すいません。写真追加しました。1晩寝るとやはり再編集したくなる。。
↓↓ GHSでさらに周りの星雲を強調してみまし↓た。どちらが良いのやら。。

2024/7/4撮影 再編集_亜鈴状星雲(M27)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,QBPIIIフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭
  • 撮影日時:
    2024/07/04(木)21:42 ~ 2024/07/05(金)02:25
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 58コマ(露光時間232分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等
    フルサイズ換算3290mm相当にトリミング

星像については、まだ少しおにぎり型の星があるものの、まあまあのレベルになりました。前回斜鏡のオフセット位置を考慮したセンターマークが少しずれていたので付け直した記事を書きましたが、そのマークを使った光軸調整後初の撮影です。

コリメーションアイピースだけでは十字ワイヤーの中心と斜鏡センターマークが一致しているかわかりずらいので、厳密に合っているのかずっと不安でした。今回はタカハシのセンタリングスコープなるものを購入して確認しました。

この製品は、シュミカセ用なのですが、ニュートン反射にも使えるとのことなので買ってみました。ピント調整ができ、センタリングスコープのセンターマークと、斜鏡センターマークのどちらかにピントを合わせて確認することができます。下記は、斜鏡に付けたセンターマークが写っている様子をスマホで覗いて撮影したものです。ほぼ合っているのがわかります。

センタリングスコープによる斜鏡マーク

PixInsight 1.8.9-3が出ているようです。でも1.8.9-2にupした時色々あったから、躊躇ってしまいまだアップしていません。。

 

 

 

R200SS撮影実験など

最近似たようなタイトルばかりですが、「RS200SS撮影実験」というタイトルはこれで最後にします。

前回M16中心部の写真では、星の形が悪いのが気になったので、斜鏡、主鏡ともに昼間にコリメーションアイピースを使って再々調整しました。今回は星像による主鏡傾き調整は行わずに、そのまま撮影してみました。おとめ座周囲の銀河は既に電線カブリで狙えないので、最初に天頂付近のM101,M94、次に南天のM20の3つの天体を撮影しました。

結果としては、北天の2天体の方が星像が悪いという結果でした。天頂付近に望遠鏡を向けると斜鏡保持機構へのストレスが変化するのでしょうか。鏡筒を横にして調整した時の状態とは微妙に変わるのだと思います。

おおぐま座の回転花火銀河(M101)

2024/6/13撮影 回転花火銀河(M101)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/13(木)20:36 ~ 22:01
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 20コマ(露光時間80分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等

露光不足により、銀河内のHII領域の色が出ていません。また、M94もそうですが星像が左右に膨らんでしまっています。

りょうけん座のM94

2024/6/13撮影 M94

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/13(木)22:17 ~ 2024/06/14(金) 00:22
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 17コマ(露光時間68分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/DeepSNR/BXT/GHS等

かろうじて渦構造がわかりますが、あきらかに露光不足ですね。星の数も少なすぎます。。

いて座の三裂星雲(M20)

2024/6/14撮影 三裂星雲(M20)

<諸元>

  • 機材:
    ASI294MCPro , R200SS(D=200mm,f=800mm)+コマコレクター,
    IRCutフィルター,CBPフィルター ,
    AM5赤道儀  ,QHY5L-IIM+3cm 130mmガイド鏡
  • 支援ソフトウェア:
    ステラリウムによる自動導入 ,
    APTによるピント調整支援、PlateSolving、ディザリング撮影 ,
    PHD2による2軸オードガイド  , ASI Mount Serverによる赤道儀連携
  • 撮影地:
    神奈川県茅ヶ崎市自宅庭先
  • 撮影日時:
    2024/06/14(金)00:50 ~ 02:14
  • 撮影条件:
    Gain200 , センサー温度 -5℃ 
    240sec x 20コマ(露光時間80分)
  • 編集(PixInsight):
    WBPP/GraXpert/SPCC/DeepSNR/Starnet2/BXT/GHS/ScreenStars等

三裂星雲の星像も完璧では無かったのですが北天よりはずいぶんましでした。そしてBXTのCorrectOnlyでかなり改善しました。露光不足により北側の青い反射星雲があまり描写できていません。

また、本来光軸調整をやるたびにフラット撮影をやり直す必要があると思うのですが、最近フラット補正が合わないし、GraXPertによるムラ補正が強力なので、いずれの写真もフラット補正はやりませんでした。

今後R200SSはだましだまし、まめに調整を繰り返しながら使って行こうと思います。この3枚撮影後、昼間にコリメーションアイピースで確認すると、やはり少しずれていましたので、斜鏡の角度調整ネジと主鏡の角度調整ネジを少し硬めにやり直しました。この作業かなり慣れました。

この状態で次の日の6/14、R200SSで初めて上弦の月を130倍に相当するアイピースで眼視観望しました。クレーターが圧巻で大変すばらしいものでした。遅い時間に上がって来た土星も眼視観望しましたが、環がほぼ真横に一直線になっている様子が良く観察できました。

次回は、今まで全く使っていなかったFMA135を使って6/14に撮影した星野写真を紹介します。